登りたくなったボルダーは一本のDVDから

それをはじめて鑑賞したのは確か2009年。当時の僕には理解不能なスケールで描かれるDVD「Dosage Vol.1」。最近は知ってる人すら少ないクライミングDVDの原点ともいえる映像作品。現在ではレジェンドクライマーのクリスシャーマ、デイググラハムがビショップの「The Mandala」や「Spectre」を初登し、クライミングシーンに衝撃を与えた世界初5.15A「Realization」も記憶に鮮明に残っている。
その中でも特に印象に残った「The Mandala」。少し傾斜したフェイスに1cm以下のマイクロクリンプが散らばっておりとても登れそうには感じれなかったが、大きな体を躍動させながらのクリスシャーマのクライミングに心躍った。当時のレベルでは到底登れない課題なのは間違いなかった。いつか登りたい、いや頑張れば登れるはず。根拠もなくそう考えていた。あれから9年後の2018年2月遂に憧れの地ビショップへ。そこに「The Mandala」が待っている。

The Mandalaへの思い

21歳でクライミングを始めてもうすぐ10年。正直もうそんなに若くはない。今回のツアーメンバーの日比野君、小澤君は共に10代。次の世代を担うクライマー達だ。一回り以上年の離れた彼らのレベルはもうすでに僕以上。このツアーを機にさらに成長する事だと思う。そんな若い世代に「クライマー」として生きていくとは何のか。「こんな風に生きてみたい」と心から思ってもらえるようなクライミングをしたい。そんな事をビショップのモーテルで考えている。
まだクライミングを始めていなかった10代の頃はクライミングを生活にしているとは全く考えていなかった。クライミングに出会ってからはほぼがむしゃらに登っていた。そんな僕ももう32歳。自らの限界を超えるにはこれがラストチャンスかもしれない。そんな事もあり昔憧れて、挑戦できる権利を得た課題を登る事で「クライマーとしての成果」を出したいと考え始めた。それが「The Mandala」を今回のツアーの目標に選んだ理由だ。Dosageをみて衝撃を受けた当時のようなカッコイイ課題を登りたいという純粋な気持ではないかもしれない。けれど登りたい思いの強さは以前と変っていない。クライミング人生はこれからも続くし、関わり方も色々あるだろう。「The Mandala」の岩の上にたつ事が出来た時それらの答えが見つかりそうな気がする。

グッぼるツアービショップ2018 facebook日記 https://goo.gl/juY9iF