歴代セッターの名作を定番保存!トップクライマーの課題で強くなろう!
前回のブログ「課題について考えてみる」での内容と少し重複しますが、読んでない方もいるので少しお付き合い下さい。現在僕自身が行っているトレーニングとして各グレードの定番課題で週2回のサーキットトレーニングがあります。最近は自らの限界グレードより1つ落とした赤テープ全28課題(2~1級)を1日で全て登れるように挑戦中。現在最高で21本。1本登れていない課題があるのでそれは別の日にトライしています。この登り込みはより美しく効率的に繰り返す事が重要で、クライミンググレードの向上に非常に役立ちます。同じ課題を何度も登り美しく仕上げていく段階で必要な動作(キネティックチェーン)が効率的に強化され、それを行うにはムーブを洗練させる必要があります。それが可能になれば次は3本づつ登るトレーニングに移行予定。登りなれた課題を3分以内に連続3回登ることで、より美しく登るための筋力や連携動作が磨かれます。
- 決定力(とにかくよく見て登る)
- 筋力制御(足音をセーブして登る)
- 連動性(流れるように登る)
上記のトレーニングを行うには最適の定番課題。スタッフにより厳選された基本に忠実で無理のないオーソドックスな課題達です。そしてグッぼるの壁には他のジムに少ない珍しいシステムがあります。最近はラインセットのジムが多く課題を入れ替える頻度も多いです。その場合毎回新しいルートを挑戦できる新鮮さはありますが、上達進度がはかりにくデメリットもあります。グッぼるではそれを3ヶ月毎にゲストセッターを迎えるサーキット課題と定番課題に分ける事で両立をはかっています。そしてサーキットでの名作課題を定番課題に落とし込む事で、一流セッターの課題を偏りなく楽しめます。そこで現在トレーニングに使用している赤テープ課題の中からゲストセッター達のオススメ課題を紹介していこうと思います。
NO.3(2級/1級) セッター 野村真一郎
グッぼるサーキット2019夏で名作課題を多く製作してくれた野村氏。驚異的とも言えるその圧倒的保持力で国内の高グレードを次々と登っています。特に一日で3本の五段完登はクライミング界に衝撃を与えました。そんな彼がセットしてくれたこの課題はまるで岩で登っているようなフィンガリーなクラシックホールドとダイナミックさをあわせた課題。小さいカラダからは想像もつかない程、迫力のある登りが印象的な彼ならでは。リーチのあるなしに関係がないオーソドックスなムーブの連続でクライミングの基本をしっかり習得出来ます。持久力も需要で最後の1手に泣かされるクライマー多数。実はゴール悪いです(笑)。
NO.4(2級) セッター 村井隆一
グッぼるサーキット2019冬でゲストセッターを努めてくれた村井氏。国内2本目の六段/V16の初登、競技においてはBJC準優勝(2018年)、ワールドカップ決勝進出と挙げればきりがない程の活躍。名実共に日本屈指のクライマーです。東京都内にあるAPEXクライミングジムに務めジムスタッフとしての一面も持つ彼が作る課題は一言でいうならば凄く丁寧で親切。このNO.4もその強さからイメージされるようなゴリゴリパワームーブではなく、多様なホールディングとムーブのシークエンスが課題に散りばめられつつ、スパイスの効いた核心が何度かあり、そのストーリーが感じられます。カラダに無理な動きを強制せずに無理なくクライミングに必要な技術・フィジカルを上達させてくれる気持ちよく登れる良課題。この課題は個人的にも好きでほぼ毎日も登っています。
NO.14(1級) セッター 一宮大介
グッぼるサーキット2017夏でゲストセッター+4周年感謝イベントを手掛けてくれた一宮氏。今のコンペがメインとされている日本のクライミングシーンとは逆行した「岩場のプロフェッショナルクライマー」である彼。クライミングの原点である岩にフォーカスを当て、日本に数少ないマルチに何でもこなし、そのインスピレーションでクライミングのカルチャーや価値観を教えてくれるクライマー。そんな彼がセットしたNO.14。はっきりいってかなり難しい。ホールドの自体の悪さ、距離感は一宮氏が160cm程とは思えない程の遠さで、グッぼるの中でも登れている人が少ない課題の1つです。純粋なフィジカルや理不尽な距離が求められる岩でのクライミング。それは困難への挑戦です。出来ないからと諦めたらそこで終了。そんな彼の考えが投影されているかのようなこの課題。強くなるには避けて通れない、これを登りたいという気持ちにさせてくれます。
NO.17(1級) セッター 波田悠貴
グッぼるサーキット2018秋でゲストセッターとして今までグッぼるにはなかったタイプの課題をセットしてくれた波田悠貴氏。ユース時代から国際大会に出場し、リード・ボルダリング種目でワールドカップ代表選手として最前線で活躍しています。競技の最前線で活躍する彼の課題は本当に多種多様でした。岩を模した課題が多いグッぼるには少ないボリュームやパーミングを駆使したプッシュやコンプレッション系が多く苦戦しているクライマーも多かったですが、今までにない風をグッぼるに呼び込んでくれました。NO.17はその中でもクライミングの全ての能力を高い次元で要求される名作。グッぼるのダガー壁の形状を利用したコンプレッション力、保持力、持久力、フック、エッジングなど、多くの要素が必要とされる為、完登者が少ない課題でもあります。リード、ボルダー共にワールドクラスの彼ならではの課題で総合力を試されます。
NO.19(2級) セッター 竹内俊明
グッぼるサーキット2018冬ではハイクオリティなイケてる課題達をセットしてくれた竹内俊明氏。竹内氏と言えば、クライミングジムRockyチーフセッターにして、ボルダリングムービー「UFB」シリーズプロデューサー。自分にとって困難な課題を追求する生粋のボルダラー。バビロン五段+(豊田)、クザン五段+(三重)、大審問官五段(瑞牆・大面岩下)をはじめ多くの高難度課題を初登。さらにROCKCLIMBING誌の編集長として「クライミング文化の多種多様性」を発信しています。その中でも人気だったのがこのNO.19。2級の入門編として人気の課題となっております。よくあるのがグレードが上がる時にいきなり難しくなる事でトライする気をなくしてしまうパターン。それを見事に丁度良い範囲におさめた課題。難しすぎず、簡単すぎない。レベルの上がり方がグラデーションになるようにセットされているのが流石と感じました。それもリーチによってムーブに選択肢がありあらゆる体格の人がほぼ同じグレード感になるように配置されています。個人的にも超オススメ課題。
NO.23(2級) セッター 北江優弥
グッぼるサーキット2019春でゲストセッターとして登場した北江優弥氏。日本最高峰の大会ボルダリングジャパンカップで4年連続で準決勝進出、2020年度ボルダリング日本代表に選出されるなど今注目の若手クライマー。2018年のワールドカップ八王子大会では世界中の猛者たちが苦しめられた第一課題をその圧倒的なフィジカルの強さで一撃し場内を沸かせていたのも印象的でした。そんな彼がセットしたNO.23は立体的な形状と持てないホールドを上手く組み合わせる事でパワーを抑え、トリックとリスクで難易度を平均化した超良作課題。これはセッターとしてのセンスなのか全ての要素が絶妙にハマった時の爽快感が半端ないです。およそクライミングに必要なムーブの8割ぐらいの平均的に使用するように設定されており何か1つでも出来ないと上手く決まらないのでムーブ習得トレーニングにも最適です。
最後に
グッぼるオススメ課題達は如何でしたでしょうか。このようにグッぼるに多くのトップクライマーによる名課題が数多くあり、強くなれる環境は揃っています。もちろん課題だけでなくトレーニングからクライミングギアの販売、本格カフェなど取り揃えています。そんなグッぼるを上手く活用して皆さんのより良いクライミング人生に役立てもらえれば僕としても嬉しい限りです。トップにオススメ課題達の完登動画を貼っておきます。行き詰まった人は参考にしてみてください。※オンサイト狙いの方は見ないようにお願いします。


