3年目の四国ツアー

年末年始といえば四国!ということで今回で3度目になる四国ツアーにまたまた行ってまいりました。毎年このツアーで成長を実感し一年がスタートします。四国でしか味わえない岩のスケール感、その場にいるだけで気持ちが満たされるような贅沢な日々でした。岩にも慣れてきて昨年より確かな手応えを感じた今回のツアー、今回触れた素晴らしい岩とその時の心境を綴っていきたいと思います。

ラハイナ 二段

初日に訪れた物部川で登った課題。岩のシルエットもさることながらその内容も登り応え満点。棚上のホールドからシットスタートしややオーバーハングしたカンテ状を多彩なホールドを繋いでいくライン。ランディングは悪くはないが上部でのフットジャムを効かせて伸び上がる一手は中々スリリング。物部川のトポ「STONE VALLEY」によると渇水時限定ラインとのことだったので良いタイミング登ることが出来てとても嬉しかったです。登ったあとは岩の横の丸太を伝ってクライムダウンするので事前にチェックしておくことをオススメします。当日は木が濡れていて降りるほうが苦戦しました。
 

冒涜の虹 初段

黒潮ボルダーきっての有名課題。ザ・四国と言わんばかりのこの岩のスケール感、バックの海と空が相まってより強調される岩の存在感がたまらなくカッコイイです。ホールドは下から見た感じでは分かりずらくムーブがイメージしずらいですが取り付いてみると導かれるようにホールドが続いています。見た目通り登り始めると岩の高さを感じますが、課題の内容は下部がほとんどで落ち着いてムーブを起こし核心の一手である棚を止めるとそこからはポジティブなホールドが続くビクトリーロードが待っています。空に向かって登っていくような感覚は他では味わえない心地良さ、黒潮に来たら間違いなく登っておきたい名作です。
 

一筋の道 三段

黒潮ボルダー土佐白浜エリアにある馴染み深い岩、天を突くようなシルエットの岩、その名は明神丸。二年前に初めて訪れ自身初の二段を登った想い出深い岩です。懐かしい記憶と共に憧れを抱いたあのライン「一筋の道」、それは明神丸の岩を下から真っ直ぐに拔けるなんとも美しいライン。当時サポートクライマーの日比野くんが目の前で登った時の感動は忘れられないものがありました。そして今回二年越しに憧れの岩と向き合うことが出来ました。

持久力、テクニック、メンタルの強さが高い次元で求められる総合力の問われる課題。前半のルーフはポジティブなホールドをフックを多用して繋いでいくジムっぽい内容に。ルーフを抜けてからは細かいハンドホールドが続き、傾斜をキョンムーブやフックムーブで殺していきます。そして核心のデッドムーブはホールドがスロット状になっていてピンポイントでホールドを捉える繊細な一手に。高さで一瞬気持ちが怯みそうになるけど核心の一手を止めてからは比較的ポジティブなホールドが続きます。落ち着いていけばまず落ちることはないでしょう。岩の上から眺める景色、そこには遮るもののない美しい地平線が広がっています。明神丸には他にも落葉(三段)や藁焼きタタキ(二段)など黒潮を代表する名作が勢揃い。クライマーならその岩に魅了されること間違いなしです。
 

鮫肌 初段

最後に訪れたのは黒潮ボルダーは海坊主エリア。堤防を降りるとひと目で分かる圧倒的な岩の存在感、黒潮ボルダーきってのハイボール「鮫肌」に挑むことに。干潮時にしか登れない希少な岩、既に夕暮れ時だったのですぐに岩に取り付きました。

サラッとした岩質で脆く足が踏みにくい印象。この課題の核心である下部は傾斜は無いものの限られた細かいホールドを繋いでいくバランシー内容に。中間部の割目に入ると棚上ホールドがいくつかありここでしっかりレスト出来ます。独特なその空間はまるで洞窟、風も無く自分の呼吸がよく聞こえ不思議と気持ちが落ち着きました。ここでしっかりホールドを目視、上部は見た目は通りホールドはかなりポジティブでしたが高さへの恐怖心とリップへの飛び出しはメンタル面での強さが求められる内容となっています。

入念なオブザベーション、万が一を想定したマットの配置、ハイボールと向き合う充分なリスク管理、あらゆることを想定し思考を巡らせます。これまで登ってきたどの岩よりも断トツで高く心底怖いとを思いました。岩の上に立つとそれは自己グレードを超えた時のものとはまたちがう高揚感で満たされていました。これまで培ってきた登攀技術や経験が活かされた瞬間、今回のツアーで最も達成感を感じることが出来た素晴らしい岩でした。

四国ツアー総集編 rocktrip#3

今回の四国ツアーを映像にまとめました。記事にはまとめきれなかった岩も映っています。日本離れした岩のスケールと変わることのない美しい自然、毎年ツアーを共にしている素晴らしいクライマー達の勇姿、是非ご覧ください。