さらに上を目指す講習 後編

前回のブログから約1ヶ月。今回は「さらに上を目指す講習 後編」をお届けしたいと思います。前編では主にメンタル面の話がメインでしたが、今回は実際に行われる実技講習についての講習内容を紹介したいと思います。是非ご一読下さい。

フィジカルテスト

まずフィジカルとテクニックのコントロールする為のメニューを考えるテスト。要は現在のフィジカルをチェックし、弱点を洗い出す作業とです。グッぼるにはTRXやキャンパスボードなどそれらを測る設備が豊富にあり、今回僕の場合はTRXを使用して体幹安定力のチェックからスタート。

TRX サイドプランクで体幹安定力を計測

まずはTRXでサイドプランク(主に腹直筋と腹斜筋を鍛える種目) →ボディソー(主に腹直筋と前鋸筋を鍛える高負荷種目)を行いました。ボディソーに関してはほぼ出来ずやろうとするだけで腹筋が千切れそうになります。あまりにキツイので肘付きで強度を落としてトライ。同じ種目を57歳の店長は軽々こなすので明らかに僕の体幹が弱い事がハッキリしました。もしかしたら、店長が凄いだけかもしれません。あまりにも僕が出来ない為、途中から何故かスタッフ土谷くんと店長の対決になってしまいました(笑)。

ヘリコプタートレーニングでロック力と保持力を確認

これは僕の自信があるフィジカル項目。両手を肩幅スタートで片手ロック。体をキャンパスボードの真下に入れます。反対の手を逆手にして、ロックした手の横30cmほどをキャッチし、反対を向きます。それを交互に繰り返して横移動。上級者ならほとんど皆できます。ボルダーの高強度なら絶対に必要なトレーニング。背が大きい人は苦手な人が多いですが、リーチがあってこれが出来る人はもう文句なしに強いです。ワールドクラスだと10mmのラングでも可能。僕は出来ませんが目標ではあります。クライミング時での効果は肘で回るトレーニングができるため、手首を固定するクロスムーブが高次元で可能。勿論単純にロック力の強化にも。肘で上手く回るにはまず指のチカラが必須条件。この時は往復に失敗。現在は問題なくできるまで仕上がり、成長を感じています。

対角ダイナミックで神経筋協調能と筋力のバランスを向上

次のトレーニングは対角ダイナミック。片手は可能な限り高いラングをキャッチ。もう一方の手を中継なしに、さらに上部へ。1手目を75cm以上、2手目を50cm以上の高さで行うのが理想。左右交互に。最適なムーブとはつまり最小のエネルギーで移動する事。神経筋協調能と筋力の融合が必要不可欠。力があっても苦手の人が多い時間差ダブルダイノやトリプルダイノ等、思い描く動作と発生させた動作の一致が必要なパワフルなコーディネーション課題に特に効果あり。それらが苦手な僕は横方向への動きがあまり得意ではなく、上まで到達出来ませんでした。トレーニングを重ねた事もあり、現在は一番上のラングまで行けるように上達。

フロントレバートレーニングで前鋸筋を使った体幹固定力を最大限に

この時の動画では肘が曲がり気味でカラダをなんとか上にあげようとしていた為、腰が直ぐに下がって来てしまっていました。脇を締めて前鋸筋を上手く使えるようになってきた現在はほぼ完璧に出来るようになりました。強傾斜で足を残したり、ルーフなどで遠いスタンスに正確に置けるなどブレないカラダ作りに効果があります。この時点ではあまり出来ず、店長と土谷君に全く及ばずでした。

細かいジブスホールドで保持力テスト

ラブホールドの極悪ジブスで保持力テスト。10点満点にはフルストロークで5回必要でしたが、この時は2.5回程しか出来ませんでした。これは単純にクライミングに最も必要な指の力をみるもの。この回数だと3段ぐらいの強度のようで、5段なんて到達出来るレベルではない感じでした。トレーニングを重ねた今は8回程可能になりました。継続は力なりですね。

サイドランジで股関節の動きの確認

身長と同じ距離を連続でサイドジャンプ。股関節を上手く使って距離を出すトレーニング。股関節が硬いと足が触れずに重心の移動が上手く行きません。コーディネーションやサイファーが上手くなるには必須です。

トレーニングタイムの算出、目標のBMI

必要な練習時間を算出し、フィジカルと技術トレーニングの理想を決める

  • MAXトレーニングタイム算出 18時間×20/年齢/週3日   壁:筋トレ=3:1
  • BMIのキープ18.7~20 BodyMathIndex=体重kg÷身長m÷身長m
  • 課題評価10 パワー/トリック/リスク 

トレーニングタイムの算出

この計算方式に当てはめると20歳の人で週18時間、週3日登るとするなら1日6時間がMAXとなります。もちろん真剣にトレーニングしての話となります、ジムにいる時間そのままという訳ではありません。それ以上トレーニングをするとカタボリックをおこす危険があります。僕の場合だと週に10時間がMAXとなります。ただ筋肉をつけすぎているとの指摘があり。多少カタボリックをおこしてもクライミングにおいてはプラスになる。痛いところがなければ1日6時間で週3日の18時間やっても良いとの事でした。壁を登る事と筋トレの割合は3:1になるようにしないと筋トレが目的となってしまうので注意。

目標のBMI

クライミングにおいての理想BMI18.7~20キープ。この時点で60kg程あったのでBMIは22.58。クライマーとしては正直重すぎます。この指摘を経て現在は53.5kgでBMIは20.14。目標までかなり近づいてきました。トータルの筋肉量は落ちたかもしれませんが、自体重で行うあらゆる運動は飛躍的に楽になりました。6ヶ月程、時間をかけて減量したので体調も問題ありません。むしろ機敏に動けて生活でも快調です。

今後のトレーニングについて

壁でのトレーニングは70%と40%の強度を繰り返し登る事。僕の場合なら1級3本→3級3本を3分休憩で。これによりベースの力をアップさせるのが狙いです。またウォーミングアップとストレッチをしっかりやる事です。これは順序が大事で先にウォーミングアップをする事がケガの予防に繋がります。背中に汗をかくレベルまでやらないとカラダは温まらず効果は薄くなります。ここは御座成りになりがちな人が多い所で、僕自身もそうでした。年齢的な事も考えるとなおさらしっかりやるべきポイントだと思います。

皆がやってない事の外側に正解がある

ここまでさら上講習の内容をザッと書き連ねましたが如何でしたか。もちろん内容はこれだけではありませんが、簡単にまとめさせて頂きました。「皆がやってない事の外側に正解がある」。今回の店長の締めの言葉です。トレーニングにしても登りにしても、誰もがやっていない事をした時こそ、その先に新しい世界が有ることを知ります。それは外側に行った人にしか理解できないものであり、それがさらに上を目指すという考えに通ずるものだと思いました。考える事を辞めず、常により良い手段を探して目的に向かって精進していこうと思います。