強さの秘訣とクライミングヒストリーに迫る
グッぼる10周年記念セットのゲストセッターの村井隆一さんにインタビューさせていただきました。まだ記憶に新しいロックランズツアーでの「Livin' Large V16」の完登を含め、V16を5本完登しており、名実ともに世界屈指のロッククライマーであることは間違いないでしょう。今回はそんな村井隆一さんの強さの秘訣にグッと迫ります。是非最後までご一読ください。
クライミングを始めたキッカケ
村井さん「きっかけは元々登山をやっていて、その練習の一環として始めたのがきっかけですね。地元が千葉の船橋で自転車で10分のとこに船橋ロッキーがあったので環境的には通いやすかったですね。ちょうど周りに同年代の子もたくさんいて、その子達とセッションしたりして切磋琢磨していってる内に自然にコンペとかも出るようになって、そこからずっと続けてますね。」
ジムに通いやすい環境は大切ですね。始められたのは小学生の頃でしょうか?
村井さん「そうですね。小学四年生の時に親に連れてってもらって、その内に登山よりもそっちの方にのめり込んでいったって感じですね。」
まぶし壁のサーキットトレーニングで強くなる
週にどれぐらい登ってますか?
村井さん「頻度でいうと結構少なくて、大体週に二~三回ぐらいです(笑)。ツアー前とかだともう少し頻度あげて週四ぐらいはやってますね。」
!?それは意外でした(笑)。主に保持系の課題になるんですか?
村井さん「そうですね。基本的にはまぶし壁でひたすら、プロジェクト過ぎない強度をサーキットトレーニングしてますね。自分だと二段ぐらいかな。」
なるほど。登り以外での保持トレーニングはされてますか?
村井さん「ほぼほぼやってないんですけど、、強いて言うならビーストメーカーぐらいですかね。それで懸垂とフロントレバーをちょっとやるぐらいで、、え~っと、、実際マジでなんもやってないです(笑)。結局岩を登るときは、もうとにかくその岩を触るしかないかなって思ってるので。」
てっきりめちゃくちゃ保持トレされてるのかと思ってました(笑)。
村井さん「いや、全然そんなことないです(笑)。」
見方を変えて最適解を導く力
村井さんご自身の中で一つ上にいったと感じた瞬間、急に成果が出るようになったとか、そういう瞬間ってあったりしますか?
村井さん「そうですね、、、バラしのやり方がちょっと変わったことで、トライを始めてから完登するまでの日数は短くなったかなって思いますね。以前はあまり繋げることを意識せずに、下からひたすらムーブをバラす感じでやってたんですけど、今は繋げるためにはどういうポジションでバラせればここが楽に取れるとか、ゴールから逆算するようにしてます。ホールドを取ったあとに体の体勢がどうなってると楽なのか、極力疲れない、握らない、楽になれる体勢を探してから繋げるようにしたら、結構バラしが終わったあとは比較的スムーズに繋げられるようになりました。」
おぉーなるほど。今の言葉、グサッと刺さります(笑)。結構ズルズルいっちゃうタイプなので。
村井さん「難しいですよね。でもゴールから逆算して考えると意外とスムーズに行きますよ!」
印象深い登攀 Floatin V16
これまで登られてきた中で印象深かった岩などはありますか?
村井さん「なんだろな、、やっぱFloatin(V16)かなぁ。打ち込んだ中でもなんか一つステップ上がったかなって思いましたね。最初試みたムーブと完成した時のムーブが違くて、最初は左の方にあるカチにサイファーで取りに行くムーブで、それを何日かやってたんですけど、結構厳しいかなって思い始めて。その時に竹内さんやノムシン(野村真一郎)がまた別の可能性を見出したことに対して、自分の中で全くその発想がなかったんで、考え方が狭かったというか、、もうちょっと柔軟な考え方をしないと今後もっとやっていけないなっていうのはありましたね。」
そんな背景があったんですね。それは錚々たる方々のエピソードですね。
村井さん「まぁでも正直あれも(完成ムーブ)あんま出来ると思ってなかったんですけど(笑)。なんか急に出来るようになって、、でもなんで出来るようになったか正直わかってなかったんですけど(笑)。それで結構ノムシンと話してて、彼は結構理論派で、色々言語化するのが上手いから彼の説明を聞いて“なるほどねー”って言いながらも自分はそこまで深くは考えてなかったというか(笑)。」
そうだったんですね(笑)。結構感覚で登ってたってことですかね?
村井さん「そうですね。そう、だからあの課題は色々と学びが多かったですね。」
今後の目標 V17への挑戦
今後の目標を教えていただきたいです。
村井さん「目標は中期的なものと長期的なものでいうと、まぁ結局グレードになるんですけど、V16がロックランズツアーで五本目になるのかな、今達成できたので、そろそろV17を挑戦してもいいかなって思ってて、来年あたりに“Burden of Dreams”をちょっと集中してやりたいなっていうのはありますね。まずV17っていうのがまずどういう感じかわからないから、取り敢えずその感触をつかんで、ゆくゆくは日本にV17を設定したいなっていう思いはあります。ただあんまり候補(プロジェクト)がなくて、探すところから始める感じになっちゃいますね。」
V17、、どんな世界なんですかね。ちょっと僕には想像もつかないんですけど。
村井さん「そうですね。V16とV17の違いがわからないと、多分V17は設定出来ないから、取り敢えず海外の既存のV17を登らなきゃいけないなっていうのはありますね。」
それはもう日本中のクライマーが応援してると思います!
村井さん「いやー、もう有り難いです。頑張りますよ!」
今後のご活躍、いちファンとして応援しております!!
村井さん課題でさらに上へ!
セットの合間に快くインタビューにお応えしてくださった村井さん。気さくで朗らかな性格でありながら、クライミングに対する探究心や情熱が会話の端々から感じられ、クライマーとしてとても魅了されるものがありました。いちファンとしてこれからも応援してます!なお村井さんによるサーキットは残り一ヶ月。村井さんらしい保持系の課題が豊富に揃っています!是非一度体感しに来てみてください。


